細川紙は、埼玉県小川町・東秩父村で古くから継承されている伝統的な手漉き和紙です。その技術は、昭和53年に国の重要無形文化財に指定され、 平成26年にはユネスコ無形文化遺産の保護に関する条約に基づく「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表」に「和紙:日本の手漉和紙技術」(石州半紙・本美濃紙・細川紙)として記載されました。

この地域における和紙の歴史は、8世紀に遡るといわれています。江戸時代になると、大都市江戸の住人や商人が増え、紙の消費も増加しました。 この地域は紙の一大消費地である江戸に近いため、江戸時代中期に紀州細川村(和歌山県)で漉かれていた細川奉書という良質な紙の技術がここに伝えられました。そして、細川紙の生産量は大幅に増加し、ここは紙の名産地として栄えました。

細川紙は、国内産の楮(こうぞ)を原料とし、伝統的な方法と用具で作られます。楮の内側にある長い繊維は強靭で、流漉きによって楮の繊維が絡み合い、丈夫な紙になります。耐久性が細川紙の大きな特徴の一つです。